陶磁器ギャラリー:志野向付 - 大阪市文化財協会

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志野向付(しのむこうづけ)

志野向付(しのむこうづけ)

器高9.3cm 口径8.5cm 高台径5.8cm 出土地点 中央区高麗橋1丁目

撫四方形の筒向付で、下胴部に胴紐を削出し、口縁下部は内へ締めて変化をつけ、擂座が貼付される。擂座は対面に2つ、別の対面に3つ付けられている。ロクロで円筒形に成形後、外面をヘラ削りし、撫四方に整えた後、再びヘラ削り調整される。高台は削出し輪高台である。胴部の2辺いっぱいに萩を、別の2辺に薄(すすき)を描いている。長石釉は、透明感の少ない淡黄白色を呈し、鉄絵の輪郭はややぼける。見込みには円錐ピン痕が残り、腰部外面には別個体との熔着がある。17世紀初頭の地層から出土している。